結論から言うと、忙しい社会人がIT学び直しで成果を出すなら、STEP2は Excel(またはスプレッドシート)で「数字を読んで説明できる」状態を作ることです。
プログラミングや分析の前に、ここを固めると仕事が一気にラクになります。
なぜなら現場で一番使うのは、難しい数式より 「KPIを見て、次の一手を言える力」だからです。
たとえば、こんな場面はありませんか?
- 上司から「この数字、結局どういう状況?」と聞かれて答えに詰まる
- 会議資料のグラフを見ても、「良いのか悪いのか」自信を持って言えない
- 数字は並んでいるのに、次に何をすればいいか分からない
STEP2は、こうした 「数字があるのに判断できない状態」から抜け出すための工程です。
Excelは単なる表作成ツールではなく、考えを整理し、説明するための道具として使います。
STEP2の目的:「計算する」より「説明できる」ようになる

多くの人が陥る罠があります。それは「Excelの勉強=関数の暗記」だと思ってしまうことです。まずは、その思い込みを捨てるところから始めましょう。

Excelって、要は『計算ドリル』ですよね?
私、数学の成績ずっと2だったんですけど…これ絶対ムリなやつじゃないですか?



安心してください、計算力はゼロでいいです(笑)。
STEP2でやるのは、計算ではなく『翻訳』なんです。



翻訳…? 英語ですか?



いいえ、『数字』を『言葉』に変える翻訳です。
『なんか売上ヤバいです』って言うより、『先月より20%落ちてます』って言えたほうが、仕事できそうに見えませんか? それをExcelにやってもらうだけですよ。
ここでのゴール:「綺麗なダッシュボード」は作らない
目指すのは、デザインが整った資料ではありません。「数字+比較+一言コメント」で、状況を相手に伝えられるようになることです。
STEP2でやること(=説明力をつける)
- 「どの数字を見るべきか(KPI)」を1つ決める
- 前月比・前年差など、「比較」ができる
- グラフ(折れ線・棒)で変化を見せられる
- データの整形(表記ゆれ・空白・日付)を直せる
STEP2でやらないこと(=挫折の原因)
- いきなり高度な統計や機械学習に手を出す
- 関数を辞書のように大量暗記する
- “オシャレなダッシュボード作り”から始める
👉 結論:STEP2は「見た目」より「伝わること」がゴールです。
Before / After:仕事の評価はこう変わる
数字そのものは変わりません。しかし、「比較」と「根拠」が加わるだけで、あなたは「数字集め係」から「数字を説明できる人」に変わります。
Before(STEP2前)
- 「今月の売上は120万円です」
- (心の声:数字は出したけど、これが良いのか悪いのか、自分でも分からない…)
After(STEP2後)
- 「売上は前月比で20%増えています」
- 「キャンペーン期間と重なっているためです」
- 「来月も同施策を展開すると効果が出そうです」
「数字の意味」を説明できると、上司やクライアントは安心して次の判断ができます。
この信頼を勝ち取ることが、STEP2の最大の成果です。
なぜSTEP2が“仕事に一番効く”のか



でも、うちの職場は『言われた通りに表を埋めて出すだけ』の仕事が多いんです。 説明とか求められてない気がするんですけど…



そこが落とし穴です! 『表を出して終わり』の人は、実は損をしているんですよ。



損? ちゃんと仕事してるのに?



『数字の羅列』を渡された上司は、それを解読するのに疲れているんです。 そこに一言、『先月より増えてますよ』と添えるだけで、あなたは『作業員』から『頼れるパートナー』に変わります。これ、一番コスパの良いアピールなんですよ。
理由1:会議や報告は「数字+一言」で進むから
現場の会話を思い出してください。上司や同僚が知りたいのは、複雑な分析結果ではなくシンプルな答えです。
- 「先月より上がった? 下がった?」
- 「原因はどこ?」
- 「で、次は何をする?」
これに答えるために必要なのは、高度な統計スキルではなく、**「KPI・比較・グラフ」**の3点セットです。これさえあれば、どの職種でも会話の主導権を握れます。
- 企画職:PVやCVRの推移を一言で説明する
- 営業職:商談数や受注率を前月と比較する
- 事務職:処理件数やミス率を可視化する
理由2:自動化(STEP3)のネタが見つかる
数数字を扱い始めると、必ず「面倒な手作業」が浮き彫りになります。
- 「毎週同じ集計をしているな…」
- 「このコピペ、時間の無駄だな…」
この「面倒くさい」という感情こそが重要です。これがそのまま、次のSTEP3(自動化)で解決すべきターゲットになるからです。
理由3:IT資格の知識が“実務の言葉”になる
STEP1で学んだ「業務」「指標」「管理」の考え方が、ここで現実の仕事と結びつきます。
STEP2は、学び直しの中で 最初に成果が体感できるSTEPです。
最短ルート:まずはこの4つだけ



よし、やります! …と思ってExcelの本を買ったんですけど、ボタン多すぎませんか? 『マクロ』とか『配列数式』とか、目次の時点で心が折れました。



あー、その本の95%は一旦忘れてください。 今すぐ必要な武器は、たったの4つだけです。



えっ、4つだけで仕事になるんですか?



なります。というか、現場の達人も普段使っているのはこの4つがほとんどです。 難しい機能より、『ズレてるデータを直す』みたいな地味な作業のほうが、実務では100倍役に立ちますから。
Excelのスキルは山ほどありますが、最初はこれだけでOKです。
① データの整形
ここを飛ばすと、いくら関数を覚えても集計できません。実務データの9割は「汚い」からです。
- よくある汚いデータ
- 「東京」と「東京都」が混ざっている(表記ゆれ)
- 「2024/1/1」と「1月1日」が混在している
- 数字の中に「円」や「件」という文字が入っている
これらを放置すると、集計結果がズレたり、エラーが出たりします。 STEP2では、まず「集計できる綺麗なデータに直す力」を身につけます。これだけで「Excelに詳しい人」と頼られるようになります。
② 集計(ピボット or 集計表)
データを「担当別」「月別」「商品別」にまとめる力です。 難しく考える必要はありません。ピボットテーブルなら、以下の3つを設定するだけでOKです。
- 行:月
- 列:担当者 or 商品
- 値:件数 or 金額
「自分で表を組み直さなくても、一瞬で集計できる」。この体験が、学習のモチベーションを一気に上げます。
③ 参照(XLOOKUP / VLOOKUP)
バラバラにある「表と表をつなげる」力です。 売上データに「顧客名」や「商品カテゴリ」を紐付ける作業が一瞬で終わります。
- 顧客情報を付ける
- 商品カテゴリを付ける
- 施策の種類を付ける
④ 可視化(グラフは1枚で十分)
オオシャレにする必要はありません。使うのは2種類だけです。
- 棒グラフ:比較する(どっちが多いか)
- 折れ線グラフ:推移を見る(上がったか下がったか)
実演:30分で「説明できる資料」を作る4ステップ



スキルは分かりましたけど、いざ真っ白なExcelを前にすると、何から手を付ければいいか真っ白になりそうです…。



分かります(笑)。 なので、『この順番で埋めればOK』というテンプレートを用意しました。 毎回ゼロから考えなくていいんです。料理のレシピみたいに、この手順通りに進めてみてください。



テンプレがあるなら安心です! とりあえず、その通りに数字を当てはめてみます。
全部見ようとするから、何言えばいいか分からなくなるんです。
最初は「一番大事な数字」を1つだけ決めてください。
- ECサイトなら:「売上」か「注文数」
- 事務なら:「処理件数」
- 営業なら:「商談数」
👉 ポイント
迷ったら「件数」を選んでください。金額よりも動きが見えやすいので、最初のKPIには最適です。
数字は単体では意味を持ちません。「120件でした」と言われても、それが良いのか悪いのか分からないからです。
必ず「過去」と比較しましょう。
- 今月: 120件
- 先月: 100件
- 結果: 前月比 +20%(好調!)
👉 ポイント
Excelなら =(今月/先月)-1 で「%」が出せます。これがあるだけで、数字に「意味」が生まれます。
凝った円グラフや3Dグラフは一切不要です。
会議で知りたいのは「増えているのか、減っているのか」だけ。
- 使うグラフ: 折れ線グラフ(または棒グラフ)
- 見る期間: 直近3ヶ月〜6ヶ月
👉 ポイント
「傾向」が見えればOKです。細かい目盛りの調整に時間を使わないでください。
ここが「作業員」と「説明できる人」の分かれ道です。
グラフの下に、「なぜそうなったのか(仮説)」を1行だけ添えてください。完璧な分析でなくて構いません。
【そのまま使えるコメント例】
- 増えたとき:
- 「キャンペーン期間と重なったためです」
- 「新規の問い合わせが増加傾向です」
- 減ったとき:
- 「連休があり稼働日が少なかったためです」
- 「季節要因で例年落ち込む時期です」
👉 ポイント
「〜だと思われます」という仮説で十分です。
この一言があるだけで、上司は「おっ、ちゃんと数字の中身まで見ているな」と信頼してくれます。
忙しい社会人向け:平日30分で回すSTEP2メニュー
「Excel学習」というと、分厚いテキストを1ページ目からやりがちですが、それでは挫折します。 実務で使えるようになるコツは、「作業を曜日で分ける」ことです。



30分で終わる形に固定しましょう。短く終わるから、続きます。



Excelってやり始めるとキリがなくて…。どこまでやればいいの?



今日は整形、明日は集計、明後日はグラフ…みたいに“作業を分ける”のがコツです。



具体的にはどう回せば?
平日30分の進め方(例)
- 【月曜】整形の日(30分)
- データの空白を埋める、日付を揃える、表記ゆれを直す。
- 【水曜】集計の日(30分)
- ピボットテーブルで「月別」や「担当別」にクロス集計してみる。
- 【金曜】可視化の日(30分)
- グラフを1つ作り、「なぜ増えた/減ったか」の一言コメントを書く。
毎日やらなくても大丈夫です。「週に3回、データを触る」だけで、スキルは確実に定着します。週末に時間が取れるなら、これらをテンプレート化しておきましょう。
よくある失敗と回避策



どうせやるなら、カッコいいグラフを作って『おお〜!』って言われたいです。 色とかデザインにもこだわりたいんですが…ダメですか?



ストーップ! それが一番の『挫折のもと』です!



ええっ!? キレイなほうが見やすくないですか?



仕事のグラフはアートじゃありません。 色選びに1時間かけるより、『棒グラフ1本+コメント1行』のほうが確実に伝わります。 『映え』を狙うのは、すべてが終わった後のオマケで大丈夫ですよ。
失敗1:関数を片っ端から暗記しようとする
対策:不要です。「集計・比較・グラフ」に必要なものだけ、その都度調べればOKです。
失敗2:最初からKPIを増やしすぎる
対策:まずは「売上」か「件数」の1つに絞りましょう。指標が多すぎると、結局何も説明できなくなります。
失敗3:見た目にこだわりすぎる
対策:色はデフォルトで構いません。STEP2のゴールは「綺麗さ」ではなく「伝わること」です。
STEP2が終わると何が変わるか
- KPIの推移を説明できる
- 集計作業がラクになる
- 「面倒な作業」が見える
- 次のSTEP3(自動化)で何をやればいいか分かる
👉 STEP2は “仕事がラクになる”実感が一番早いSTEPです。
KPI(重要業績評価指標)の考え方や基本的な定義については、
Microsoft公式の解説ページでも確認できます。
Excelで数字を扱う際の前提知識として、必要に応じて参照してください。
まとめ:STEP2は「数字の会話」に参加するための土台
STEP2で身につくのは、単なるExcel操作ではありません。 ビジネスの現場で共通言語となっている「数字を使ったコミュニケーション力」です。
- KPIを1つに絞る
- 過去と比較する
- グラフで見せる
- 一言で説明する
まずはこの型だけで十分です。これができると、次のSTEP3(自動化)で、「どの作業を自動化すべきか」が明確に見えるようになります。
今日やること(1つだけ)
👉 あなたの仕事で使うKPIを「1つ」決める (迷ったら「処理件数」「作業時間」「売上金額」のどれかでOKです)
その数字をExcelに入力することが、あなたのSTEP2のスタートです。
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